hidamaricafe’s diary

映画と本のひだまりかふぇへようこそ

【小説:星を編む】

『汝、星のごとく』(2023年本屋大賞受賞)の続編。続編というより完結編というべきなのでは?と思います。2冊読んで初めて見えてくる世界があります。『汝、星のごとく』のタイトルの意味するところも。これは、2冊を一気読みすることをお勧めします。最後まで、そう最後まで、飽きさせないストーリー展開です。

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日本ならではの血族に縛られた『家族』と、つながりによって形成された『家族』。

『星を編む』は家族がテーマの小説です。

もしかしたら、昔から普通に合った家族の概念だったのではないでしょうか。

いつしか忘れてしまった『家族』という名の大事なつながり。その家族の中での『自分』という存在。

それは、何かを押し付けるものでもなく、何かを我慢することでもなく、損得勘定でもなく、ただただお互いを尊重し、助け合うことなのでは。

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【心に留まった一文を書き上げてみました】

・別段高望みでなく輝かしくもない、ごく平凡で平均的な未来ですら、一度でも躓いたら手に入れられるのは難しいだろうという現実に。少年よ大志を抱けという有名な言葉があるが、大志を抱けるその環境が、今や特権なのだという現実に。

・同じ人間がひとりとしていないように、彼女の苦しさや喜びは彼女だけのものだ。誰かと比較して上下が決められるものではなく、それぞれが、それぞれに『私は苦しい』『私は嬉しい』と感じる権利がある。

・『逆だよ、弱いから踏ん張らないといけない』

・しんどいときほど内省する。自問自答する。これでいいのか。何か見落としてはいないか。苦しいけれど、もう立ち止まりたいけれど、それでも・・・『追いかけるのやめたら、それが本当の夢の終わりだよ』

・物語は不思議だ。内容は同じものなのに、自分の気分や状況によって胸に残る場面や台詞が変わる。以前に読んだときはあまり好きでなかった人物をなぜか好きになったり、苦手なままだけれど気持ちを理解できたりする。物語は『今の自分』を映す鏡のようであり、言葉という細い細い糸を手繰って、今も櫂と手をつないでいるように感じさせる。

・善し悪しではなく、是か非かでもなく、どれだけ誹りを受けようとも、自分でもどうしようともなく、そうとしかできないことがこの世にはあるのだと、大人になった今ならわかる。

・恋愛に於いて慈愛と独占欲は共存する。

・『いかに自分らしく生きたか、最後に残るのはそれだけよ』

・的外れ、プラス勝手な決めつけ。それもしかたない。自分の価値観の中で整合性の取れる物語を作る、それが一番簡単な気持ちのいい他者への理解の方法だからだ

・それは幸せな夢であり、自分は年を取ったのだなと悲しくもなる。失って、二度とは取り戻せないからこそ夢は眩しく光る。

・もう余計な荷物は持っていたくはないのよ。

・留めておきたい喜びも悲しみも押し流され、どれだけ抗おうと朝陽と共に次のページがめくられ、また似たような一日がはじまる。それが現実を生きるということだ。物語のように美しいエンドマークはない。積み上がった記憶は整理も回収もされず、ある日、散らかったまま終わる。

・血は水よりも濃く、つなげていくことの意味は大きい。その一方で、私たちのこの連帯をなんと呼べばいいのだろう。ぼんやりと、ゆるやかに、けれど確実につながっているわたしたちの『これ』を。よく言われるのは『疑似家族』だろう。けれどわたしたち自身のものを『疑似』と名づける、どんな権利が他人にあるのだろうか。

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